【グラフ解説】中国 生産者物価指数の推移と今後の見通し中国国家統計局が3月9日に発表した2月の生産者物価指数(PPI)は、前年同月比 -2.2%となった。前月(-2.3%)からわずかに改善し、xenoBrainによるAI予測値(-2.35%)を上回ったものの、依然としてマイナス圏で推移している。xenoBrainでは、次月の発表値を -2.311%と予測し、再び小幅に下落すると見込んでいる。また、季節要因や統計的ノイズを除去したトレンドベースの予測では、6ヵ月後を -2.829%と予測しており、マイナス幅はやや拡大しつつも、緩やかな下落基調が続くとみられる。要因分析■マクロ環境要因・企業意識(-1.44%)・企業生産(-0.61%)企業の景況感や生産活動に関連するニュースが伸び悩んでおり、PPIを押し下げる方向で作用している可能性がある。とくに企業の先行きに対する慎重な見方が増えており、生産調整や設備投資の手控えにつながっているとみられる。■市況価格要因・海上貨物輸送価格(+1.06%)海上輸送費の上昇が確認されており、原材料や製品の輸送コストを押し上げる要因として作用している。一部の業種では生産者価格の下支えになる可能性がある。・鉄鋼価格(+0.23%)金属市況の一角である鉄鋼価格に上昇圧力がみられ、製造業の一部セクターではコスト増要因として働くが、一方で売り手企業の生産者価格を底上げする面もある。■物価要因・消費者物価(インフレ率)(+1.08%)消費者物価が相対的に底堅く推移しており、生産者物価にも緩やかな上振れ要因を与えている。しかし企業マインドの弱さや世界経済の不透明感が強く、PPI全体の押し下げ圧力を完全には相殺できていない。■その他の下押し要因・原料価格(-0.58%)・商社価格(-0.68%)原材料市場の価格低下や商社流通価格の引き下げなどが継続しており、総じてPPIを抑制する方向で作用している。予測根拠分析